割れ鍋に綴じ蓋、それでこそ夫婦
- 3 日前
- 読了時間: 5分
ごきげんよう!タヌキのとぅーこさんです! 今回は極彩色の表紙でひときわ目を引く乙女向けR18マンガをご紹介します!
盈虚し得る天國(ぱらいそ)/ECO路地
あらすじ
欠損注意 線対称に片手脚を欠損している男女は夫婦となり欠けた愛が満ちる迄。戦後昭和に宵余(よよ)は篤継(あつつぐ)の許へ嫁ぐ。篤継は未亡人の宵余に酷い言葉を浴びせ暇があれば無理矢理にでも身体を重ね宵余に歪み病み狂気の愛をぶつける。ある日篤継の行いは劣等感から来る物だと知る。嘲る宵余は自身の心の醜さに身を捩る。篤継は諭し許し…宵余は愛しさを覚えるが篤継は宵余を突き放す。愛しいから愛さないで。二人の愛の行く先は。66頁。 「好きで好きで惚れて愛しゅうて堪らんのにどうして手放せる…それでも宵余は美しいのだから儂を愛するなんぞ駄目じゃ。だってこの身体じゃあ宵余を抱き締めてやれんもの…だから宵余…嫌って愛さないで。」
戦争で片腕と片足を失った男女が結婚し、生活をする物語。
個人的には性欲を掻き立てる内容というよりはふたりの愛が形作られる過程を性行為含めて見守らせてもらう、そんな文学的な作品だと思いました。
古風な言い回しと漢字が特徴!
この作品は言い回しや使われている漢字が古風なんですよね。戦後の昭和の雰囲気が伝わってきて好きなところです。またヒーローである篤継は方言で喋るのですが、広島弁に近いのかなと思います。作者さまいわくいろんな地方の言葉が混ざってるとか。 しっかし重畳って単語、がるまに作品では初めて見たような……「目出たや」もきっとないので、だいぶ印象深く感じますね。
💘ここがお気に入りポイント!
戦争で狂い、妻をいじめる夫かと思いきや
ヒーロー・篤継もヒロイン・宵余もそれぞれ片腕と片足を失っているんです。そんなふたりに世間も家族も冷たい。似た境遇のふたりだからこそ愛を育めると思っていたら……篤継は狂気混じりに宵余を抱くんですよね。無知な宵余に淫語を言わせたり鏡に痴態を映すなどSっ気あるプレイもしっかりする。宵余は篤継の本心がわからず、快楽に翻弄される中でも何故と戸惑います。
この時代、簡単に縁切りなんかできないでしょうし、宵余ちゃんは親からも見放されているので逃げる場所もない。気心の理解できない男とひとつ屋根の下で暮らすのって不安で仕方がないでしょう。
ちょ、おま、ツンデレだったんか!?
でも実は篤継、宵余のこと大好きっ子でした!宵余が親から売られてきたというのは篤継の嘘で、篤継が宵余がほしいとねだったんですってよ!
おいおいおいツンデレかー!?!?!?
好きだからこそわざと嫌われるような行為をしちゃったということで……。36歳の男が19歳の幼妻にそういうことしちゃうのか~ずいぶんとかわいらしゅうことでございますねとニヤニヤw
惚れた女の抱き方がわからんって……!?
お互いの心の裡を明かし合い、あらためて睦み合おうとするふたりでしたが……
篤継、36歳、筋骨隆々の元軍人。女を知っているくせに、恋をしたのははじめてで……惚れた女の抱き方がわからないとおろおろする姿なんなん。かわいすぎるじゃろがい……!
いいっすよね、つよつよ男が運命の女に出会ってよわよわになるの……!
宵余ちゃんも宵余ちゃんで前夫とは愛のあるセックスをしたことがなかったとか。お互いにとってはじめて真の睦み合いをするってことですよ。いいですね~🥰 手繋ぎセックスシーンも文学的な会話しててよきでした!会話が多いセックスって好きなんすよね。裸になって全部曝け出してお互いを理解し合う行為……純愛じゃないですか!
未だにうらぶれたまま?
ラストシーンですが、散歩中の宵余が篤継の影と自分の影が重なったことでひとりの人間に見えると発見します。それを見た篤継は皮肉な影で憎らしいって言うんですよね。
……ツンデレか?
普通に解釈すれば物語開始時の篤継のうらぶれた部分が出てきたように思えますが……もはや本心じゃないんだろうなって。宵余がこの影を好きと言ったことですぐに意見を翻すんですもん。この影のように夫婦はふたりでひとりとしっかり心でわかってたんだろうなって私は解釈しましたね。手を繋いで帰るエンド、尊い……!
💘誤字から妄想していた話
実はこちらの作品……この記事を書き始めた時点でDLsiteに登録されたタイトルが『盈虚し得る天國(ばらいそ)』だったんです。天國のよみがながPARAISOじゃなくてBARAISOになってたっていう。書いてる途中でちょうど修正されたようですが、最初私は大いに悩みました。
誤字かな……いや待て、もしかして深い意味があるんじゃね……!?
と……。
そう思った理由がちゃんとあるんです!
想いが通じ合ったあとの睦み合いで、篤継が宵余の欠損した部分を隠す布を取らせてくれって言うんですよ。そして宵余の傷痕を見た篤継が言うんです。
…儂も莫迦じゃな…愚か者だわ 隠されておるからと…薔薇でもな 生えておるかと
……すっげぇ愛の言葉……!!
篤継は出会ったときから宵余を美しいと思ってたんですね。しかも今は愛しさマックス状態。そりゃ薔薇でも生えてるって思っても仕方ないですよ。 このシーンがかなり印象的で、もしや薔薇がバライソのバラの部分に繋がったりするのかも、と。じゃあイソはどうなのよって話なんですけど、検索したら琴や琵琶の側面をイソって呼ぶらしく……。
薔薇……側面……断面……そういうことかー!!
なんて妄想を爆発させてましたw
まぁ訂正されてるしよく見たら表紙に普通にパライソって書いてあるし……ぶっ飛び過ぎた考察でしたね。でもこの殺し文句に私はやられたんですってば!
💘盈虚し得る天國で満たし合った夫婦
身体も心も欠けているからこそ、お互いを補い合うことができる、満たし合える……まさに比翼連理の関係。現代では男も女も自立した上で恋愛するのがベストって風潮になっていると思うんですけど、なかなかそうはいかないじゃないですか。それに未熟だからこそ相手を必要とし、自分も必要とされるはずなんです。夫婦って、恋人って、愛って。割れ鍋に綴じ蓋な関係で十分なんだなって思わさせてくれる作品でした。
こんな人にオススメ!
・昭和レトロな世界観に惹かれる💕
・濃厚ストーリーが好き💕
・陰のある筋骨隆々な男が恋心に悶えるのが好き💕
・女の子の喘ぎ声は乱れてる方が好き💕
・純愛ハッピーエンドが好き💕
ぜひお手にとって見てくださいね!





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